Not Found

何処にも居ない 居てはいけない

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男たちはわたしのからだをむさぼり、わたしの肩と腿に歯をたて、わたしの腹を飲み込んだ。
わたしは彼らに快楽を与え、背に爪をたて、なぐさめ、あなどり、へつらった。わたしは彼らの前で這いつくばった。彼らはわたしの愛撫で快楽の悲鳴をあげた。
彼らはわたしを所有し、わたしを獲得し、わたしを奴隷にしたと信じた。
そして憔悴しきって帰った。

わたしは女だ。傷だ。深い穴だ。
彼らはみな死をもとめてわたしのもとにやってくる。
香油をすりこんだわたしの肌の上に自らの消滅を嗅ぎにやってくる。そしてみずからの汚辱を消し去りにやってくる。
わたしは自分自身の殻に閉じこもることもできただろう。
わたしは万人にひらかれている。
あやまちから自分の身を守る女と堕落した女の、どちらが地獄に落ちるのだろうか?