Not Found

何処にも居ない 居てはいけない

日々

私が1人のベッドで目覚めた時、もう寂しくなくて

静寂をもう一度愛せるようになった

 

心肺停止の患者に打ち込む電気ショックのように 何かのスイッチで感情が爆発する現象に悩まされている。この頃は。

 

心の中で嫌だったなあと思った事やふわふわと悩み続けることしかできないものごとがフラッシュバックして

突然叫び出したくなり、泣き出したくなったり、興奮して 再起不能の状態になる。

何か心の琴線に触れて それが爆弾の起爆スイッチみたいに。

 

そんな時は自ら毒になるものに触れた。

毒を以て毒を制すの言葉通り ほかの痛みに委ねた。

決して楽にもならないし 食べ物の味は砂と砂利、吸う煙の味もそれと一緒だった。

 

ただ野良猫みたいにふらふらとタバコ屋に入り、注文をして吸った煙だけは身体に感覚が戻ったみたいに感じた

 

その時私は初夏の暑さにやられていて

胸の谷間に汗が流れて いつもの震えが止まらなかった。

 

足に違和感を覚えて、足が震えている。

こんなのを誰かに見られたらきっと変に思うだろう。

スカートの裾を直すふりをして足を隠した。

足も痛かった。痛みで余計に震えは止まらなかったんだろう。立ち上がるのも困難な程痛む。

私には逆さまになったってこんなレシピは思いつかないだろう。

 

ーーー料理がうまい人はタバコを作るのも上手いんだ

と思いながら煙を吸うけどだんだん苦しくなってくる。

天井を見る。少し楽だ。

 

痛みがなければ。

暑さがなければ。

震えと、この眠たさがなければ。

もっとこの状況を楽しめたのかもしれない。

 

「なければ」を繰り返していると涙が出そうだった。

 

店員の顔すらちゃんと目視できない。

人はダメだ。居ちゃダメなんだ。でも店に入ったのは私じゃないか。

緊張して震えているのか、安心できる自分だけの家を思い出して帰りたいと帰りたくないの行き来をする。

 

そのうちしんどさに負けて帰ってしまったんだけど

 

外にも出れず、自分の居場所を見つけることの出来ない自分に嫌気がさしながらまた 野良猫みたいにふらふらと家に帰って、そのままの格好でベッドに寝転がった。

 

猫が様子を伺いに来る。

 

やすりで心を削ってるみたい、私どうすればいい?

 

ーーーどうすればいい?

猫に話しかけると掠れた声が出て、ちょっと笑った。

猫はきょとんと私を見て喉をならして そのまま近くで眠ってしまった。

 

あなただけが私の居場所。

私は猫になりたくない。

あなたを飼う居場所で居たい。

 

だけど、こんなに脆くてどうしよう?

頼りがいがない。

今日吸ったタバコは美味しかった。収穫はそれだけだ。

 

ねえ私 どうすればいいんだろう?